2025.10.28TERRAとUPDATER、海外でソーラーシェアリング事業を行う新会社を設立 

日本発の技術を活かし、新興国・途上国でエネルギーと農業の課題解決に挑む 

株式会社TERRA(本社:千葉県匝瑳市、代表取締役:東光弘)と株式会社UPDATER(本社:東京都世田谷区、代表取締役:大石英司)は、共同出資により海外におけるソーラーシェアリング事業を行う新会社「株式会社TERRA INTERNATIONAL」(所在地:東京都中央区)を2025年10月1日に設立したことをお知らせいたします。 

日本発のソーラーシェアリング技術と、国内外で再エネ実装を進めてきた両社の知見を結集し、新興国・途上国を中心に持続可能なエネルギーと農業の両立をめざします。

設立の背景と狙い

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)※は、2003年に長島彬氏により日本で提案された農地活用型の発電方式で、日本発の発電形態とも言われます。近年は国内で導入が広がる一方、欧州や中国、ベトナムなどでも様々なプロジェクトが進展しており、海外からも注目が集まっています。 

株式会社TERRA(テラ)は、国内におけるソーラーシェアリングの先駆者として、沖縄県糸満市での強風対応設備や北海道余市町での豪雪地域対応設備など多様な設置環境への対応や、特許を所有するペロブスカイト太陽電池を用いた国内初の営農型実証など、技術革新を進めています。 

一方、株式会社UPDATER(みんな電力)は、小売電気事業者として再生可能エネルギー由来の電力を提供し、全国で耕作放棄地活用や地域連携型モデルを推進してきました。海外でも電力インフラが不安定なタンザニアにおいて、リユースパネルを用いた電力の安定化を図り、地域経済の発展とカーボンニュートラルの両立を目指す事業を展開しています。 

両社が持つノウハウを結集することで、新興地域におけるエネルギー・農業・地域社会の課題解決を加速し、注目の集まる日本発のソーラーシェアリングを世界で展開できると考え、新会社を設立することとなりました。 

※農地の上部空間に細型太陽光パネルを活用して太陽光発電設備を設置し、農業と発電事業を同時に行い、太陽の光を「発電」と「農業」でシェアする取組み。発電事業から得られた収入の一部を営農者に還元することで、農業の持続可能性に貢献できる。ソーラーシェアリングで生まれる適度な日陰が農作物を高温障害から守る可能性、また、放射冷却を防ぎ、水分が蒸発し難くすることから砂漠緑化にも貢献できる可能性がある。 

事業概要

名称:株式会社TERRA INTERNATIONAL 
所在地:東京都中央区日本橋室町4-3-10 秀永日本橋室町ビル6・7F 
代表者:代表取締役 東 光弘 
設立:2025年10月 
出資比率:株式会社TERRA 85.3%、株式会社UPDATER 14.7% 
資本金:680万円

事業内容 

ソーラーシェアリング事業 
海外市場におけるソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)設備の開発・運営を行います。農業と発電を両立する仕組みを普及させ、地域農業と連携した持続可能なモデルを構築します。
 

環境価値創出事業 
ソーラーシェアリングによる脱炭素価値を検証し、二国間クレジット制度(JCM)などを活用して環境価値取引による収益化を行います。 
 

実証・調査事業 
アジア・中東・アフリカ地域において、気候条件に応じた実証実験を行います。作物の生育・収量・品質の比較、適作物の選定、環境データの収集に加え、電力の効率的な活用方法(取水、農機電化、売電・自家消費など)を模索し、ソーラーシェアリングの可能性を広げる研究を進めます。 

今後の展望

TERRA INTERNATIONALは、まず2025年度からUAE、エチオピア、バングラディシュ、ベトナムの4カ国を皮切りにソーラーシェアリング発電設備展開を目指します。現地農家との協業モデルも構築し、再生可能エネルギーの供給と農業振興を両輪で推進していきます。2030年度以降はペロブスカイト太陽電池などの先進技術を積極的に活用し、これまで導入が難しかった砂漠地帯や軟弱地盤でのソーラーシェアリングの実装や、設備下の農法を工夫することで、土壌に炭素を固定し温室効果ガスの排出を抑える「カーボンファーミング(農業による脱炭素手法)」の実現も視野に入れています。

さらに、ソーラーシェアリングは強すぎる日射を適度に遮り、夜間の放射冷却を抑えることで土壌の湿度保持を助け、植物の生育環境を改善し、「砂漠緑化」にもつながるのではないかとの研究もあります。今後はこうしたソーラーシェアリングの次の可能性についても実証実験を行っていきたいと考えています。

経営陣コメント

株式会社TERRA 代表取締役 東 光弘 
「私たちはこれまで限りなく自然環境と調和した未来を目指し、ソーラーシェアリングを軸に地球温暖化、そして地域課題の解決に邁進してまいりました。農業とエネルギーを両立させるこのモデルは、単なる発電事業に留まらず、食料問題や砂漠化といった地球規模の課題解決に直接的に貢献できるものと考えています。今回この取組において、私たちとは一味も二味も違う魅力を持った(株)UPDATERにご一緒いただけることは、私たちにとっては非常に心強く、無限大の相乗効果を生み出すものと確信しているところです。本取組を通じて、世界中の本気で本物のエコロジスト達と共に、限りなく自然環境と調和した未来を協創してまいります。」 

株式会社UPDATER 代表取締役 大石 英司 
 「日本の再エネ黎明期から苦楽を共にしてきた(株)TERRAと、新会社を設立できることに大きな喜びを感じています。私たちが目指すのは、環境破壊型ではなく環境と共生する再生可能エネルギーです。日本発のソーラーシェアリングとペロブスカイト技術で、新興国のエネルギーと農業の課題を解決し、現地の方々と心を一つに、カーボンニュートラルと食料安全保障の実現に全力で挑みます。」

会社概要 

株式会社TERRA 
所在地:千葉県匝瑳市飯塚1062
代表者:代表取締役社長 東 光弘
事業内容:ソーラーシェアリングの建設、自社発電事業、商品開発、コンサルティング
設立:2021年5月 

株式会社UPDATER
所在地:東京都世田谷区三軒茶屋二丁目11番22号
代表者:代表取締役 大石 英司
事業内容:SXサービス事業(脱炭素領域「みんな電力」、ウェルビーイング領域「みんなワークス」、ライフスタイル事業「TADORi」等)
設立:2011年5月

お問い合わせ先 

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E-mail:TerraIntl@energy-chiba.com